赤道を中心とした南回帰線と北回帰線の間を『コーヒーベルト』が横断し、『コーヒー』は、この地帯の多くの国で栽培されています。
地理的に日本はコーヒーベルトに日本は含まれず、おとなり台湾の中心より南となります。
コーヒーの品種は実に約130種ほど特定されていますが、大量に栽培されるコーヒー豆は『アラビカ種』と『ロブスタ種』の2品種に限られます。
ロブスタ種
19世紀後半コンゴ共和国（当時のベルギー領コンゴ）で発見された『ロブスタ種』は、商品としての潜在力は明らかでした。
既存のアラビカ種よりも標高が低く、気温が高い土地でも実をつけることができ病気にも強かったのです。
こうした性質と栽培が容易なことから、現在でもロブスタ種は大量に生産されています。
しかしながら、決定的な負の側面は『味があまり良くない』のです。
『木クズと焦げたゴム』と表現する方もいます。
もちろんロブスタ種にも質の等級があり、高品質のロブスタ種の生産も可能ですが、現在、世界中で生産されるロブスタ種の大半は、大規模工場にて、最も低質なコーヒーの行方であるインスタントコーヒーとなる運命です。
インスタントコーヒー産業において、
価格はフレーバーよりはるかに重要で、あとは、ファストフードや大手コーヒーチェーンのラテなどです。
イタリアンエスプレッソ
イタリアのエスプレッソ文化が確立された20世紀中盤から後半にかけて、ロブスタ種は、重要な役割を果たしてきました。
特に、濃厚なクレマ（泡）を形成し、力強い苦味を加わるため、イタリアのカフェ文化では長らく愛されました。
しかし、近年のスペシャルティコーヒーの流行により、アラビカ種のフルーティーな香りを活かしたエスプレッソが人気を集めるようになり、ロブスタ種の使用割合は減少傾向にあります。
しかしながら、ロブスタ種を多く含むブレンドはクラシックなイタリアンエスプレッソを求める人々に支持され続けており、深煎りの焙煎と組み合わせることで、力強いボディ感と濃厚な味わいを生み出しています。
アラビカ種
アラビカ種は、 豊かな香りと繊細な酸味 が特徴です。
フルーティーな風味やナッツのような甘みを持つことが多く、コーヒー愛好家に人気があります。
アラビカ種のルーツ『エチオピア』
コーヒー産業は長年、あとから発見された『ロブスタ種』を『アラビカ種』の『できの悪い兄弟』として扱っていました。
しかし、遺伝子配列を解析したところ、この2種は兄弟でもいとこでもなく、実はロブスタ種はアラビカ種の『親』だったのです。
一番の有力説は、『現在の南スーダン共和国（エチオピアの隣国）にあたる地域のどこかで、ロブスタ種がユーゲニオイデスという野生種と交配しアラビカ種が生まれた』という説です。
このアラビカ種が広がり、コーヒーの生まれ故郷といわれるエチオピアで急激に繁殖し始めたのです。
アラビカ種は、さらに多くの品種に分けられることを知る消費者は多くありません。
特に『ゲイシャ』や『エアルーム』といった在来種が多様に存在しています。
エチオピアでは今も多くのコーヒーが森林や半森林の中で野生に近い形で育てられており、その遺伝的多様性は世界でも群を抜いています。
まさにエチオピアが『コーヒーのルーツ』と呼ばれるゆえんですね。
それら品種を列挙し、リンクでそれぞれ詳しく解説しています。興味のある方は見ていってください！
ティピカ種：アラビカ種の中でも最も古い系統
これらの豆は、味わい、栽培環境、カフェイン含有量などに大きな違いがあります。
1. アラビカ種とは？特徴と魅力
風味と味わい
栽培環境
- 標高：1000〜2000mの高地で栽培
- 気温：16〜25°Cの涼しい気候を好む
- 降雨量：年間1500〜2500mmが理想
アラビカ種は病気に弱く、栽培が難しいため、品質の高い豆は高価になる傾向があります。
カフェイン含有量
アラビカ種のカフェイン含有量は 0.8〜1.2% と比較的低めで、まろやかな味わいを楽しめます。
主な生産地
ブラジル、コロンビア、エチオピア、グアテマラなどが主要な産地です。
2. ロブスタ種とは？特徴と魅力
風味と味わい
ロブスタ種は、 力強い苦味と厚みのあるボディ が特徴です。酸味は少なく、麦茶のような香ばしさを感じることもあります。
栽培環境
- 標高：500〜1000mの低地でも栽培可能
- 気温：19〜32°Cの高温多湿な環境に適応
- 降雨量：年間2000〜3000mmが理想
ロブスタ種は病気に強く、収穫量が多いため、比較的安価で流通しています。
カフェイン含有量
ロブスタ種のカフェイン含有量は 1.7〜2.4% と高く、覚醒効果が強いのが特徴です。
主な生産地
ベトナム、インドネシア、ウガンダ、インドなどが主要な産地です。
3. アラビカ vs. ロブスタの違いを比較！
| 特徴 | アラビカ種 | ロブスタ種 |
|---|---|---|
| 味わい | フルーティーで繊細な酸味 | 苦味が強く、厚みのあるボディ |
| 栽培環境 | 高地（1000〜2000m） | 低地（500〜1000m） |
| 病気の耐性 | 弱い | 強い |
| カフェイン | 0.8〜1.2% | 1.7〜2.4% |
| 価格 | 高価 | 安い |
| 主な用途 | スペシャルティコーヒー ドリップコーヒー | インスタントコーヒー エスプレッソブレンド |
4. どちらのコーヒーがあなたに合う？
☕ アラビカ種がおすすめの人
- 繊細な風味を楽しみたい
- 酸味のあるコーヒーが好き
- まろやかな味わいを求める
☕ ロブスタ種がおすすめの人
- 苦味の強いコーヒーが好き
- カフェインの覚醒効果を求める
- 濃厚なエスプレッソを楽しみたい
まとめ：アラビカ vs. ロブスタ、あなたはどっち派？
アラビカ種は 繊細で香り豊かなコーヒー を楽しみたい人向け、ロブスタ種は 力強い苦味とカフェインの刺激 を求める人向けです。
あなたの好みに合ったコーヒーを選び、毎日の一杯をより楽しんでみてください！
☕ 次のコーヒータイムは、アラビカ？それともロブスタ？
細かいことですが
コーヒー業界では、「バラエティー（variety）」と「バラエタル（varietal）」は、似たような言葉ですが少し異なる意味を持っています。
バラエティー（Variety）
植物学的な分類を指し、コーヒーの品種そのものを意味します。例えば：
- ブルボン種（Bourbon）
- カトゥーラ種（Caturra）
- ゲイシャ種（Geisha） これらはすべてアラビカ種の**バラエティー（品種）**に該当します。つまり、「コーヒーの品種名」として使われる用語です。
バラエタル（Varietal）
**ワインやコーヒーの業界で使われる「原料の特徴」**を示す言葉で、そのコーヒーが特定の品種（バラエティー）から作られていることを意味します。例えば：
- 「このコーヒーは**バラエタル・ゲイシャ（Varietal Geisha）**です。」
→ ゲイシャ種だけを使用したコーヒー - 「**バラエタル・ブルボン（Varietal Bourbon）**の風味は素晴らしい。」
→ ブルボン種のみを使用
つまり、「バラエティー」は品種そのもの、「バラエタル」はその品種を使ったコーヒーという違いがあります。
ワインでも「バラエタルワイン（Varietal Wine）」という言葉があり、「ブドウの単一品種から作られたワイン」という意味で使われます。コーヒーにもこの考え方が応用されているんですよ。
この違いが分かると、コーヒー選びがより楽しくなりますね。特定のバラエティー（品種）についてもっと深掘りしたいですか？例えば、ゲイシャやパカマラなど！